キーストーン種(keystone species)

その群集の種間相互作用のかなめをなしていると考えられる種のこと。この種が絶滅すると、それが属していた生態系のバランスが根底から崩れるような重要な地位にある種のこと。実際に、どの種がこれにあたるかを判定するのはむずかしい。草地を保っている草食の哺乳類や、花粉媒介者としてのハナバチの仲間がこれに該当すると考えられる。

ビオトープ型社会のかたち

その種の侵入や喪失が生物群集の性質を大きく変えてしまうような、「要」ともいえる種のこと

生態系を蘇らせる

群集内の他種の存続に強い影響力を与え、その種の存在が群集の安定性をもたらす種。キーストーン種は、もともと群集に影響力を及ぼす生態的上位の補食者に与えられていた(現在はキーストーン補食者とよばれる)が、現在では群集安定の要となる被補食者や共生者、寄生者にも広く適用される。

生態学的指標種

その環境タイプを代表する種のこと。鳥類でいうと、針葉樹林を指標とするキクイタダキ、渓流を指標とするミソサザイがそれにあたる。その種の生息環境に注目して保全対策を実行することによって、同じ環境にすむ他の多くの生き物の保全を実現することが期待できる。

ビオトープ型社会のかたち

異所的種分化

隔離された個体群はそれぞれの地域の環境の差を反映して、そこにもっとも適したものが淘汰される。

遺伝的に固定されているかどうか別として、生活場所の特性を反映して乾生型、湿生型、高山型、海岸型などのさまざまな生態型を生じることがよく知られている。

流出入河川が少ない湖沼は極めて閉鎖的で、バイカル湖、琵琶湖のような地史的に古く大きい湖では固有種が生まれやすい。

トマトはなぜ赤い―生態学入門

環境アセスメントの困難

ある開発行為が自然のシステムをどのように変えるかを予測し、正確に記述することは科学の領域の問題だが、ある変化が予測された場合、それが許容できるかどうかは、評価する人々の価値観によって左右されることになる。

ある人にとって好ましい変化も別の人にとっては容認し難い変化と評価される。ここに環境アセスメントの困難の一つがある。

トマトはなぜ赤い―生態学入門

生物多様性(バイオダイバーシティ)

生物多様性」とは、野生生物全般がおかれた、ヒトの強い干渉のもとでの危機的な現状を憂える進化学・生態学の研究者が、その問題を社会に広く訴えるために考案した一種のキャッチフレーズである。生物多様性に定義は、それをもちる研究者によって少しずつちがいがあるが、遺伝子の多様性、個体群の多様性、種の多様性、生息・生育場所の多様性、景観の多様性、生態的プロセスの多様性などをふくみ、「生物の豊かさ」を包括的にあらわす概念である点で共通している。
生態系を蘇らせる
生物の種類、種の多様性を意味するだけでなく、同じ種類の生物のなかに見られる個性を表す遺伝子の多様性や多様な種の生活を保障する生態系の多様性なども含む、地球の生命の豊かさを広く表す言葉である。
自然再生―持続可能な生態系のために

絶滅危惧

絶滅の危険性が高いと考えられる種。危険性の高さに応じてI類とII類はさらにIA類とIB類に細分化されている。各地域の生息地のすべて、あるいは大部分で個体数が減っている場合は、生息環境が著しく悪化している場合、繁殖によって増える数を上回る捕獲・採取が行われている場合、交雑のおそれのある別種が進入している場合がこれに当てはまる。減少や悪化の程度を数値で示すことのできる場合は、数学的な解析によって絶滅の可能性を数量化し、その数値によって下のより細かいランクに分けられる。

ビオトープ型社会のかたち