生態系の機能を通じて提供されるサービス

浄化機能、利水機能、生物の生息・生育場所などさまざまなものがある。今日、これらサービス機能の急激な低下とその回復の必要性という点で、もっとも広く社会的な関心を集めているのが、湿地などを含む淡水生態系である。世界的に見ても、湿地を含む淡水生態系は、数百種の指標種による定量的な評価にもとづき、森林生態系や海洋生態系よりも危機に瀕している生態系であると認識されている。その保全と再生は、人類の持続可能性のための最重要課題のひとつである。

自然再生―持続可能な生態系のために

生物多様性の危機

文化の危機であるともいえる。さらには、石器時代以来、アジアの多様な地域から渡来した人々が日本列島の自然の恵み享受しつつ、その厳しさと折りあいながら生きることで確立された、日本人としてのアイデンティティのよりどころを失うという危機でもある。

自然再生―持続可能な生態系のために

絶滅が危惧される種のリスト(レッドリスト)

国際自然保護連合(IUCN:International Union for Conservation of Nature and Natural Resources)が作成

哺乳類では地球に生息する約5000種のうち約4分の1、霊長類では約2分の1の種が絶滅の恐れがあるとされている。チンパンジーも、ゴリラも、オランウータンも、すべて絶滅危惧種となり、その存在が危ぶまれている。生息地の破壊がこれら霊長類の主要な絶滅要因である。

鳥類では約9000種のうち絶滅危惧種の割合は約12%と哺乳類などと比べると低いが、それは鳥類が移動能力に優れているため生活場所が限定されないことによるのだろう。

爬虫類や両生類、魚類は種数が多いため、全種を対象にした評価はされていないが、評価対象とした範囲では、爬虫類と両生類では2割以上、魚類では約3割の種が絶滅の恐れがあるとされている。

自然再生―持続可能な生態系のために

自然の恵み

経済学の用語を用いて表現すれば、そのなかには「財」としての食糧、燃料、建材、医薬原料など、「サービス」としての健全な水環境の維持や水と大気を清浄に保つ作用、さらには人々にやすらぎや感動を与えてくれる作用、子どもたちを心身ともに健康に育む作用などのいくつもの機能をあげることができる。

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生態系の多様性

針葉樹林、落葉樹林などの森林、草原、湿地、水田などの生態系のバラエティをさす。一面同じように整備された水田ばかりが広がる近代化された農業景観に比べて、田畑があり、樹林があり、ため池があり、草地もある里山のほうがずっと多様性が高い。このことは、その景色を眺めれば誰もが容易に感じることができるだろう。

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