コンパクトシティ―持続可能な社会の都市像を求めて

日本型コンパクトシティの10の原則

  1. 近隣生活圏(アーバンビレッジ)で都市を再構成する
  2. 段階的な圏域で都市や地域を再構成する
  3. 交通計画と土地利用との結合を強める
  4. 多様な機能と価値をもつ都市のセンターゾーンを再生、持続させる
  5. 徒歩の時代の「町割り」を活かす
  6. さまざまな用途や機能、タイプの空間を共存させる
  7. アーバン・デザインの手法を適用して美しく快適なまちをつくる
  8. 都市の発展をコントロールして環境と共生した都市を持続させる
  9. 都市を強化する
  10. 自治体空間総合計画に基づく都市経営を進める

最後の努力 ローマ人の物語XIII

分担とは、現にあるものを分割したのでは済まないという問題を内包している。分担とは各自の責任を明らかにすることでもあるから、その人々の間に競争状態が生れるのは、人間の本性からもごく自然な方向とするしかない。

巨大化した組織体を分割し細分化すれば、機能性のほうも向上するのは事実である。しかし、すべての事柄はプラス面とマイナス面を合わせもつという人間性の現実にも眼を向けなければ、分割し細分化することによっての機能性向上はプラス面として、ではマイナス面は何か、という問題が残る。

その第一は、分割し細分化することによって、かえってそれぞれの分野ごとの人間の数と、それにかかる経費の増大を招くという事実であった。

人間とは、一つの組織に帰属するのに慣れ責任をもたせられることによって、他の分野からの干渉を嫌うようになるのである。そして、干渉を嫌う態度とは、自分も他者に干渉しないやり方につながる。自分も干渉しない以上は他者からの干渉も排除する、というわけだ。この考え方が、自らの属す組織の肥大化につながっていくのも当然であった。干渉、ないしは助けを求める必要、に迫られないよう、いかに今は無用の長物であろうと人でも部署でも保持しておく、であるのだから。

〝専従″とは、効率面のみを考えれば実に合理的なシステムに見えるが、深い落とし穴が隠されているのである。

塩野 七生
新潮社

¥ 2,730

(2004-12-22)

キリストの勝利 ローマ人の物語XIV

権力者には誰に対しても、初めのうちは歓呼を浴びせるのが民衆である。前任者のデメリットは、すでに何かをしたことにあり、新任者のメリットは、まだ何もしていないことにある。ゆえに、新任当初の好評くらい、あてにならないこともない。一般の市民も皇宮に関係している人々も、ひとまずは歓呼で迎えながら様子を見るのだ。被支配者と呼ばれて簡単に片づけられること多い「支配される人々」だが、この人々もそれなりの対応策を持っているのである。

こうなれば、支配者である新任者の対応も2つに分かれる。

第一は、それまでの既得権層を刺激しないようにしながら、獲得したばかりの権力基盤を固めるやり方。これは言い換えれば妥協だから、今後も、改革らしい改革には手をつけないことにつながりやすい。

第二は、権力をにぎるやただちに、既得権層も非既得権層もいったい何がなされているのかわからない早さで、次々と政策を打ち出し実行に移すやり方である。

改革がむずかしいのは、既得権層はそれをやられては損になることがすぐわかるので激しく反対するが、改革で利益を得るはずの非既得権層も、何分新しいこととて何がどうトクするのかがわからず、今のところ支持しないで様子を見るか、支持したとしても生ぬるい支持しか与えないからである。だから、まるで眼つぶしでもあるかのように、早々に改革を、しかも次々と打ち出すのは、何よりもまず既得権層の反対を押さえこむためなのだ。

ローマ人の物語〈15〉ローマ世界の終焉

人間には、絶対に譲れない一線というものがある。それは各自各様なものであるために客観性はなく、ゆえに法律で律することもできなければ、宗教で教えることもできない。一人一人が自分にとって良しとする生き方であって、万人共通の真理を探求する哲学ではない。ラテン語ならば「スティルス」 (stilus)だが、イタリア語の「スティーレ」であり、英語の「スタイル」である。他の人々から見れば重要ではなくても自分にとっては他の何よりも重要であるのは、それに手を染めようものなら自分ではなくなってしまうからであった。

もしかしたら人間のちがいは、資質よりもスタイル、つまり「姿勢」にあるのではないかとさえ思う。そして、そうであるがゆえに、「姿勢」こそがその人の魅力になるのか、と。

遺伝的アルゴリズム(genetic algorithm:GA)

自然界の生物の進化においては、ある世代の個体群の中で、環境ヘの適合度の高い個体が優先的に生き残るように再生されるとともに、交配、または交叉(cross-over)や突然変異(mutation)によって新たなつぎの世代の個体群が形成されていく。遺伝的アルゴリズムは、まさに、この進化のメカニズムを使って、解を探索しようとするものである。

遺伝的アルゴリズムは、真の最適解に到達する保証はない。探索される解は、世代数、個体集合の個体数、交配率、突然変異率などの演算のやり方に著しく依存する。しかし、(1)個体の集合から集合へと探索を進めるため初期値に左右され難く、(2)適合度の値を世代ごとに比較するだけで、その微係数などを使わないため目的関数の性質がはっきりわからなくても計算が可能であり、とくに、(3)確率的な遷移ルールにもとづいて演算を進めるので、局所的最適解にとどまらず、大局的最適解を探索できる可能性が高い、などの特長がある。

現実には、厳密解を求めることが不可能であったり、また、いわゆる次善の策を用意しておくことの方が得策だったりすることも多く、このような観点から、遺伝的アルゴリズムは、多くの例題ヘの適用が試みられている。

現代工学の基礎 第12巻

バイオマス(biomass)

本来生態学で使われる用語であり、「生物現存量」または単に「生物量」と訳される。すなわち、生態活動によって生成する動物または植物、微生物の量を意味しているが、さらにこれらを材料とする、廃木材、食品廃棄物、家畜ふん尿など「エネルギーや素材として利用されうる再生可能な生物由来の有機性資源」としてとらえられることが多い。また、1)再生可能である、2)カーボンニュートラルである、3)農山村地域などに膨大な賦存量を有する。などの特徴を持つ。

絵とき下水・汚泥処理の基礎
絵とき下水・汚泥処理の基礎
タクマ環境技術研究会

都市山麓グリーンベルト

都市山麓グリーンベルトとは、土砂災害の発生のおそれがある都市山麓の市街地周辺地域において、土砂災害の防止・軽減、良好な都市環境や風致・景観の形成、生態系の保全・育成等を目的として、市街地周辺に隣接する山腹斜面・渓流部及び山麓部の斜面を構成する一連の樹林に着目し設定される斜面緑地帯である。

国土交通省河川砂防技術基準 同解説・計画編

多自然型川づくり

1990年11月に、建設省河川局の治水・都市河川・防災の3課長から、地方の建設局や都道府県の土木部長宛に「『多自然型川づくり』の推進について」という通達がだされた。

建設省は、この「多自然型川づくり」を、「河川が本来有している生物の良好な生育環境に配慮し、あわせて美しい自然景観を保全あるいは創出する事業の実施をいう」と定義しており、河川改修計画作成の際に、次のような事項に特に留意するよう指示している。

過度のショートカットを避け、現在の川がもっている多様性に富んだ環境の保全に努める。

川の横断面を上下流一律にすることを避け、できるところでは川幅を広くとって、河道の貯留能力を高めるとともに、その用地を「多自然型川づくり」に活用する

水理特性や背後地の状況に応じて、生物の良好な生育環境と自然景観の保全・創出に配慮した護岸工法を選択する。

水辺の環境学―生きものとの共存
水辺の環境学―生きものとの共存
桜井 善雄

再生(リストレーション)

人間によって改変された生態系を、それ以前の状態にもどすこと。自然の再生力にゆだねるのが基本で、必ずしも人間の手を必要としないが、本来生息していた種が失われてしまった場合には、外部から導入してやるなどの作業を必要とする。

生物の保護はなぜ必要か―バイオダイバシティ(生物の多様性)という考え方